なんとなく手に取ったのが、
吉本ばななの「うたかた/サンクチュアリ」だったため、
今日は徹底的にこの人の作品を読もうと思って、
三冊ほどまとめ読みをしてみる。
No7 うたかた/サンクチュアリ
No8 キッチン /吉本ばなな
No9 とかげ
一気にまとめ読みすると、その作者の変わらぬ主張とか、
テーマのようなものがより鮮明に伝わってくる気がする。
ばななさんの作品で、
描かれる男女が織り成す関係は、どれもなんだかせつない。
その関係性が上手くいかないからせつないわけではない。
上手くいくにしても、そんな時にありがちな、
幸せ全開というような感情では伝わってこないのだ。
もっと、こう、深々と。
噛み締めるような伝わり方をしてくる表現をしていると思う。
それはきっと同じ作品の中で、ばななさんが、
人と人との別れについても書いているのもあるかなぁ。
別れの辛さや寂しさを知っているから、
主人公達は今、得る事が出来た幸せをただ喜ぶのではなく、
じっと、噛み締めるように感じているのだと思う。
いつか…それがただ別れるにせよ、死別にせよ、別れが来る。
それは避けられない。
だからこそ、今の幸せを大切に大切に感じている。
読んでそんな風に私には感じられた。
結論としてはやはり良い作家であり、良い作品である。
個人的には「とかげ」の中の表題作「とかげ」が一番好きかなぁ。
後は同じく「とかげ」の中にある「キムチの夢」かな。
No10 ちょー美女と野獣/野梨原 花南
読書強化月刊第10冊目は、お気に入りの「ちょー美女と野獣」。
これが初めて読んだコバルト文庫である。
コバルト文庫は少女小説系(間違ってない…よね?)。
そう思っていた高校生の頃、図書室でよく貸し出されていた本だった。
というわけで食わず嫌いもダメだろうと読んでみて、
見事にハマって今に至ることとなる。
いや、だって面白いもの。
普通にラノベとして通用すると思うし。
題名はあとがきで作者も言っている通り、アレだけども。
内容はしっかりボーイ・ミーツ・ガールだしなぁ。
掛け合いのテンポも悪く無いし、きちっと笑える。
それに何より、キャラクターの魅力かな。
主人公・ヒロインに限らず魅力的に描かれた登場人物たち。
シリーズを通していくとやはりサブキャラの中では、
スマート・ゴルディオンのかっこよさにシビれるけれど。
この1巻で言えば、最優秀助演男優賞は間違いなくアラン王子。
アラン王子、ステキー。
例えヒロインにフラれても私は貴方についていくわー。
とか、思わず思ってしまうほど良い男。
うーん、こんな良い男になりたいものです。
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